2008.05  南アルプス南部 雪原散策

      単独

      今回はゴールデン・ウイークに南アルプスの稜線へ向かうという
      私としては初めての挑戦をしてみました。
      この時期の南アルプスは、南部といえども「冬山そのもの」だと
      知ってはおりましたが、毎年6月第一週に登っている熟知のコース
      であり、また危険ならば途中で引き返すつもりで頂上にこだわらない
      予定で登山を開始しました。
      私はアイゼン・ピッケルを持っていないので、危険な所には入ら
      ないし、(大変消極的だと思いますが)今後もアイゼン・ピッケル
      は所有しないつもりです。  もしこれらの道具を購入して
      持参すれば、どうしても使いたくなるし、危険を冒すことに
      なりかねないからです。
      そうはいっても、アイゼンが無かった為に もう少しで辿り着く
      はずの山小屋を前にして撤退することになりました。



 5/3急登して最初の峠に立つ                上河内沢の流れ いつも水量豊富だ
ヤレヤレ峠   上河内沢

 避難小屋のウソッコ沢小屋(1泊目)             静岡県が設置の新しい道標
ウソッコ沢小屋   ウソッコ沢小屋

2008.05.03
03:25   浦安自宅をマイカーで出発

06:20   東名高速が渋滞につき御殿場インターで降りる

07:50   静岡県立総合病院前のいつものコンビニで弁当購入
      この病院のすぐ北のアパートに13年前まで私は住んでいた

09:50   沼平駐車場 静岡市内から85キロも走った林道にある一般車
      が入れる最終地点である 林道はこの先もまだまだ続く

11:40   ヤレヤレ峠 ここで去年熊に襲われた事件が2度あったことを
      下山後に知った
      登山道の状況がかなり悪く、崩れて足場がほとんど無いところも
      数箇所あり

12:30   ウソッコ沢小屋 行動終了にはちょっと早いけれど 今年は膝の痛
      みを自覚しており無理せずここに宿泊する いつもは通過していた
      小屋で宿泊は今回がはじめて 通年無人開放小屋である

15:45   今時珍しい石油コンロで夕食を調理 コンロの着火に失敗して黒煙
      が出てしまう これは石油コンロの独特な操作であり今回の失敗
      は、たとえて言えば 焚火で最初のうちに薪を乗せすぎて煙が
      大量に出てしまい火力が上がらないのと同じこと

17:30   消灯 宿泊者15人




 標高1900mを境に残雪が出現                 新芽が萌える広葉樹と茶臼岳山頂
1900m地点   茶臼岳

 冬道を辿って茶臼小屋の上に出る              2泊目の横窪沢小屋 旧小屋は取壊されていた
茶臼小屋   横窪沢小屋

2008.05.04
03:00   起床 全く寒くなかった(標高は1150m)
      昨日 石油コンロの調子が悪かったので これを使わずにパンと
      せんべいで朝食を済ませる

04:55   ウッソコ沢小屋を出発 寒くはなかった 

06:40   横窪沢小屋到着 小屋番が山岳会メンバーを連れて登っていくところ
      だった 昨日は満員なので奥座敷を開放したそうである

07:20   横窪沢小屋出発 寝具と調理器具を小屋に置いて出発

08:10   1900m地点 大きな荷物を背負った大学生男性4人がアイゼンを
      装着中 昨日ウソッコ沢小屋に宿泊した人たちだ
      最近の山には若い人たちの姿が少ない 50歳の私が山小屋宿泊者
      の最年少であることも珍しくなかったから、彼らに会えてうれしい
      ここからサングラス着用

10:05   茶臼小屋の上に出る 踏跡を辿ってここまで来たが いわゆる「夏道」
      ではなくて「冬道」を来たことになる 積雪時には一番安全な道
      であった 稜線へ向かう登りと小屋へ向かう下りの両方の踏跡があり
      私は小屋へ降りる道を進んだものの、最後の急斜面の下りが怖くて
      あと一歩で小屋に辿り着けませんでした (標高2500m付近)
      やはり アイゼン無しではこの時期は無理でした
      今回は稜線に行く予定は無かったので 荷物を置いた横窪沢小屋
      に引き返すことにしました

13:20   横窪沢小屋(標高1600m)石油コンロは調子悪く黒煙を出す
      まだ他の登山者がいないし、小屋の外でやったから良かった
      コンロを分解し何とか応急修理し ラーメンと米を炊き、石油臭い
      手で食事を済ませる
      この小屋も今までは通過しており宿泊は初めて 体力の落ちた私には
      ありがたかった小屋でした

16:15   11人の年配者団体が下山して来た 団体の宴会には悩まされたが、
      21時ころには静かになった




2008.05.05
05:55   横窪沢小屋発 朝食はせんべい類と煮干・チョコレートで済ます

07:00   ウソッコ沢小屋通過

09:40   沼平駐車場着 

10:15   赤石温泉着 南アルプスでは火山が無いので貴重な温泉

19:50   東名高速渋滞少なく浦安自宅着


      命拾いかもしれない

     下山2日後の5月7日に知った事でしたが、私が下山した5月5日の
     正午頃に、畑薙ダムの50m南側で林道の法面が崩れ、数日間林道が
     不通になるとの事でした
     私があと2時間遅ければ脱出不能に陥っていたかも知れないし
     あるいは 車ごと埋没していたのかと思います

     このように、本人は気付かなくても たまたま幸運に恵まれて
     難を逃れている事は多いと思います たとえば、数分違いで落石の
     直撃を免れたとか 考えてみれば登山は危なげなく終了することは
     皆無かも知れません

     ではどうするか
     いろいろと考えていますが、自分の想像を超えた避けられない事が
     起きたなら諦めますが、自分の不注意でピンチを招くことだけは
     してはならないと注意を払って行動をしております